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テーピングテープ基礎知識

①テーピングの目的

●傷害の発生予防●
悲しいことですが、スポーツにケガはつきものです。足首のネンザや突き指、肉離れなど私達は常にその危険と背中合わせでプレーしています。もし傷害を経験すると、長い時間を治療やリハビリに費やさなければならないこともあり、その間にも、体は衰え、磨き上げてきた技術は鈍ってゆきます。テーピングの目的の一つは、そのような障害の発生を未然に予防することです。●ネンザや突き指などのケガは、大きな力によって正常な範囲を越えて関節が動いてしまったために発生します。テーピングをすることによって関節を固定し、[可動域]を制限することにより、このような怪我は防ぐことができます。
●応急処置●
ネンザ、打撲、肉離れなどを起こした場合、専門機関の診察を受けるまでの応急処置として、テーピングを行うことがあります。テーピングにより患部を固定し圧迫することにより内出血や腫れが広がるのを抑えることができます。さらに、患部を同時に[冷却]すれば、より大きな効果をえられます。弱ったジン帯や関節が保護されるので痛みも和らげる役目も同時に果たしてくれます。 ●ケガの程度が軽い場合、患部をテーピングで保護したり、固定すればすぐその場でプレーに復帰できる時もあります。これも、応急処置の一種です。ただし、絶対にムリをしないこと。プレーが再開できるかどうかは、監督やコーチ、トレーナー、専門家の指示に従いましょう。また、自分の痛みは自分にしか分かりません。自分で危険だと判断した場合は、やめる勇気も持を持つことも大切です。

●傷害の再発防止●

現在ケガをしているか、または過去にケガを経験した部位を、補強・保護するのも、テーピングの目的の一つです。日本で行われているテーピングのほとんどは、この再発防止を目的としたものです。ネンザやジン帯損傷などを一度経験すると再発の危険性が高まります。プレーに仮復帰する際や、完全に復帰した後も、ケガによってダメージを受けた部分をサポートし、ケガの再発を防止するのはとても重要なことです。●さらに、「再発の不安」を取り去ることができるのも大きなメリットです。精神面での安定は、プレーの積極性につながったり、身体能力を充分に発揮できるなど二次効果をもたらしてくれます。

②テーピング前のチェック項目

●テーピングに適した傷害か?●
ケガというものは大きく別けると、外部からの力により皮膚が傷つき、内部組織が露出してしまう開放性損傷と内部の腱や関節組織などのみが傷つき、皮膚は貫通しない非開放性損傷に別けられる。テーピングが有効なのは後者の非開放性損傷の方でネンザ・打撲・肉離れ・骨折・脱臼などがあります。
●技術に自信はあるか?●
患部の状態が見極められなかったり、知識が曖昧なままなんとなくテーピングを行うと、ケガを悪化・誘発してしまいす。たとえば、骨折の疑いがある部位やをテーピングした上で動かしてしまうと、ケガの悪化につながります。資料を確認したり、専門家の話を聞き自信が出た後テーピングを行いましょう。
●患部が腫れていないか?●
患部が腫れてくる恐れのある上にテーピングを行うと、損傷の起きている神経や血管を圧迫することになります。そのため、腫れを逃がす隙間を作った応急処置のテーピングを行うことが大切です。
●患部・手は清潔か?●
患部が濡れていたり、手に泥やクリームなどがついていると、粘着力が弱まりテーピングの効果が減少してしまいます。テーピングを始める際は、患部と手を清潔にした上ではじめましょう。また、毛深い部分は除毛してから行います。

③テーピングに用いる用具

●ホワイトテープ(非伸縮)●

足や手・指などの関節を固定する場合に用いる白いテープで、伸縮性が無く、固定力が強いのが特徴。部位によって、幅の異なるテープを使い分けると良いでしょう。

13mm 手や足の指などに
19mm 手や足の指などに
25mm 手や足の指、手の関節、足のアーチなどに
38mm 足や手の関節、ヒザ、アキレス腱、下腿部などに
50mm 大腿部、腰、肩などに

なお、幅の細いテープは、太いテープを裂いて代用することもできます。

●伸縮性テープ●
肩や大腿部のように関節運動の大きい部位を固定する際に使います。伸縮性があり、固定力はホワイトテープよりも劣りますが 、ある程度自由に動かすことができます。このテープも、三種類の幅がそろっています。

25mm 手や足の指、手の関節、アーチなどに
50mm 足関節、アキレス腱、ひざ関節、肩関節などに
75mm ひざ関節、腰、肩関節などに

また、ライト、ソフト、ハードと織り方や素材の違う3タイプのテープがあり、その差は固定力です。最も固定力が強いのがハードタイプ。ライトタイプは巻いてもほとんど違和感がなく、包帯の代わりとして使用することができます。期待する固定力によって使い分けると良いでしょう。

●キネシオテープ●
薄手で粘着力があり、皮膚に対する刺激の少ないテープです。しかし、最大の特徴は筋肉の動きを促進するという点にあります。それによって一種のマッサージ効果が生まれ、血液の循環が良くなり、痛みの軽減や、治癒のスピードアップに役立ちます。ホワイトテープや伸縮性テープなどと違って、障害部位を固定することを目的としていない特殊なテープと言えます。ある程度ケガが治りプレイしながら完治させたい場合に用いると有効です。

●アンダーラップ●
テープのこすれなどから皮膚を保護する大きな役目を持つのがこのアンダーラップです。下腿部、腕など体毛の濃い部分や、皮膚がかぶれやすい人にテーピングを行う場合に欠かせない道具です。テープの下に巻くため、固定力を犠牲にすることになりますが、皮膚の弱い部分に直接テープを巻いてしまうと、水ぶくれやキズ、かぶれが発生し、その後、テーピングを継続できなくなってしまうことがあります。これではもとも子もありません。アンダーラップには粘着力がないため巻く前に粘着スプレーを吹き付けてから使用します。

●粘着スプレー●
テーピングをする際、アンダーラップを巻くことがありますがアンダーラップには自着性が無いため、粘着スプレーを使います。肌から20cmほど離したところからまんべんなく吹き付けるのがコツです。量が少なすぎるとアンダーラップがずれてテーピングの効果が落ちてしまうので注意してください。

●リムーバースプレー●
テープをはがした後のべたつきを落とすスプレーです。スプレーをした後、軽くシャワーで流すと完璧でしょう。

●ハサミ(テープシザース)●
テープをはずしたり、テープをカットするときに使います。文房具用のはさみで代用することもできますが、先が少し丸くなっているという工夫がされていて、皮膚を傷つけません。頻繁にテーピングをするようであれば、一本持っておいてもいいでしょう。

●カッター(テーピングカッター)●
患部に巻かれたテープをはがすときに使用します。刃を皮膚とテープの間に入れ、体の線に沿うように滑らせると、何重にも巻いたテープを一気にはずすことができます。必ず必要というわけではありませんが、テープ除去時の痛みを避けるためにも用意しておきたいグッズです。

④テープの扱い方

●テープの切り方●

テーピングの第一歩は正しくテープを扱えること。まずは、テープの切り方を紹介しましょう。テープを切るときは両手の親指を人差し指を使います。切りたい箇所に手を当てピンと張った状態で引き裂くような感じで切ってください。この時、ねじりながら切ってしまうとテープにしわやたるみが発生し、失敗の原因になります。また、手が濡れていたり、泥がついていたりすると粘着力が弱くなってしまうのでタオルなどで拭き取ってからテーピングを始めましょう。
 ①テープを利き手にもち、中指をロールの芯の中に入れます。シ手の親指を人差し指で切りたい部分をしっかりと抑えます。
 ②テープをピンと張って、両手の親指と人差し指に力を入れます。テープの一番上の横糸を一本切るような感じで、左右に引き裂きます。
 ③テープの上に切れ目ができたら後はタイミングよく一気に引き裂きます。テープがたるんだりよれたりしない様に気をつけましょう。

●テープの張り方●
テープを張るときは、テープの上に指を滑らせるような形で張っていきます。そうすると患部の形に滑らかに張ることができます。この時、張り具合を一定に保つことが大切です。これが不均等になると、テープにしわやたるみができて効力が半減したり不快感の原因になります。●傷害部位に傷やマメがある際は、それを処理した上でテーピングを行います。傷の上からばんそうこうなどででカバーすれば大丈夫でしょう。

●テープのはがし方●
正しくテープのはがし方を習得するのは、皮膚を守り、テーピングを続けていく上で欠かせません。皮膚に直接巻いたテープをはがす際は、皮膚をおさえながら、テープが張ってある方向に向かって水平にゆっくりはがしていきます。このとき、水平方向に引っ張ると、痛いのでやめましょう。何重にも巻いてあるテープをはがす際は、専門のカッターを使い切込みを入れ、その上ではさみを用いてはずしていきます。テープをはがし終わったらリムーバースプレーなどでベタツキをおとしてから、シャワーなどで洗い流すとよいでしょう。

⑤テーピング後のチェック項目

●テープの巻き方は合っているか?●

テープが巻き終わったら、まずしわがないか確認しましょう。しわはマメやみずぶくれなどの原因になるので、ひどい場合は放置せず始めから巻きなおしてください。

●血行障害が起きていないか?●
きつくテープを巻きすぎたために、施術部位周辺の血管が圧迫され血が通わなくなってしまうことがあります。すると、筋肉に充分な酸素や栄養が供給されなくなりケイレンを起こしたり痛みの原因になります。

●違和感はないか?●
テーピングを受けた本人が、痛みや違和感がないかを確認することも重要です。初めてテーピングを受けた場合はどの程度の固定力や圧迫感が適当か分からないので、違和感を放置してしまう場合がありますが、これはよくありません。そのままプレーを続行すると、十分なパフォーマンスを発揮できなかったり、他の部位の怪我を誘発してしまいます。

●使用時間は適切か?●
テーピングのテープを長い間貼ったままにしておくと皮膚に悪い影響を与えてしまいます。そのため運動の始まる30分くらい前に巻き、終わったら30分後にははがすのが原則です。また、午前・午後と競技を続行する場合は途中で巻きなおしたほうが良いでしょう。ただし、応急処置のテーピングでは、患部の安静を保つために1~3日巻いたままにしたてもOKです。

⑥テーピングのポイント

●基本テーピングの重要性●

テーピングにはコツがあります。実際に部位を巻くためのテープは、非常に複雑に見えるが実際には何個かのパターンがある。たとえば指の突き指のテーピングとひざ靭帯のテーピングは細かく分解するとXサポートや縦サポートなどと呼ばれる同じようなテープがたくさん貼ってあります。つまり、テーピンとは何パターンか存在する基本テーピングを組み合わせることによって障害の発生している部位を固定する技術なのです。

●テーピングは「確実」に●
テーピングの初心者の人は別に最初からすべてのテーピングを覚える必要は全くありません。足首のネンザをしやすい人は足首を固定するのに必要なテーピングから、指を突き指しやすい人は突き指を予防するのに必要なテープから覚えていけば良いのです。そしてテーピングに必要なことは『確実に』巻くことだけです。だから、あとはスポーツと同じで練習あるのみです。ひとつ覚えることで、次のテーピングへの理解と興味が湧いてくることでしょう。そうなれば吸収は早いはずです。ここにおいてあるアニメーションを参考に是非、正確なテーピングを覚えていってください。

●基本テーピングと実践テーピング●
前項でも触れたが、実践テーピングとはそも何かと言うと、基本テーピングを効果的に組み合わせて構成されているものです。たとえば、ひざ靭帯のテーピングは〔アンカー→縦サポート→Xサポート〕で構成されています。これに対して指の関節のテーピングは〔Xサポート→縦サポート→アンカー〕という構成です。二つの全く別のテーピングなのに非常に似た構成でしょう。このように、アンカー、縦サポート、Xサポートと基本テーピングを3つ覚えて、使用するテープの幅や距離を変えるだけで、様々な部位のテーピングに応用することが可能なのです。基本テーピングをしっかり見につければあらゆる障害、部位に対するテーピングを身に付けることができます。

●テーピングは万能ではない●
このツアーでは今までテーピングについて非常に肯定的に紹介してきた。しかし、多くの治療法がそうであるように、テーピングもまた過信し過ぎてはいけない。テーピングとは、最初にも言ったように、特定の部位を固定し、保護し、負担のかからないように動きを制限しているものである。つまりテーピングをしても動きが前より良くなるのでも、元に戻るのでもなく、ケガをしているという事実はまったく変わらない。よって過信し過ぎると更に大きな障害につながる可能性すらある。『テーピングをしたから、…』と言っていきなりいつものようなプレーをする事はケガの回復を遅らせるだけでなく、時として選手生命に響くような大きな怪我につながる可能性すらある。気をつけていただきたい。

●今までの過程を復習する●
テーピングができた後のチェック項目があったと思う。テーピングを巻いたら、まずこの項目がすべて満たされているかをチェックしていただきたい。テープを巻いた時点でケガにつながりそうな点があってはテーピングをした意味がない。テーピングは練習してちゃんとできるようにしよう。

●受傷後の処置としてテーピングをされている選手は無理をしない●
テーピングをしている選手は、なんらかの傷害があってテーピングをしているものと思う。このとき、テーピングをしているからと言っていつもの動きでいきなりプレーをしてはだめ。テーピングをしていきなり動き過ぎると、ケガをなるべく早く直し、すぐに万全な状態で復帰すると言う目的に反してしまう。さらに、いかにテーピング技術が応急処置や再発防止を目的としているからと言ってそれらを完全に防いでくれるわけがありません。最終的には選手の心構えにすべてがかかっています。

アイシング基礎知識

こちらでは、「R.I.C.E.処置」についてご紹介します。

スポーツ選手にとってケガは致命的。どんなに運動能力が高くても、ケガばかりする選手は素晴らしい選手とは言えません。今回は、ケガをした時に自分でできる応急処置の一つ、「R.I.C.E.処置」について紹介します。1日でも早くケガから回復したい場合は、面倒臭がらず実践してみて下さいね。

<Rest(安静)>
ケガをしたら、まず安静にするのが基本です。骨折・ねんざの場合はギプスや副木を使って固定します。無理して運動を続けると悪化させることになるので、安静にすることが肝要です。

<Ice(冷却)>
ねんざや打撲、骨折などのケガをしたときは、すぐに冷やすことで、毛細血管を収縮させ、内出血や腫れを抑えることができます。アイスパック(氷のう)、氷を入れたビニール袋、コールドパックを使います。冷却時間は15~20分ですが、①痛い②あったかい③ピリピリする④痛みを感じなくなる と患部の感覚は変化していくので、
それも目安にします。痛みを感じなくなって冷却を続けると、凍傷の危険性があるので注意しましょう。

<Compression(圧迫)>
冷却と同じく、腫れと内出血を最小限にとどめるのが目的です。バンテージやエアースプリント(副木の代わりになる器具で、プラスティックの袋に空気を入れて膨らませることで患部を圧迫・固定する)を使うのも有効です。また冷却と併せて行うとより効果的です。

<Elevation(挙上)>
患部を心臓より高く上げることで、腫れを早く抑えることができます。

※注意
R.I.C.E.処置後、必ず医師の診断を受け、医師の指示に従って治療します。怪我をして3日間くらいは、R.I.C.E.処置を行うと回復を早める効果が期待できます。特にケガをした日は、痛みが引くまで1時間に1回ほどのペースで冷却を繰り返します。重症であれば、その後も1日4回ぐらいのペースに回数を減らしながら継続的に冷却を行いましょう。

※早期回復のための処置
痛みや腫れが引いたら、毛細血管を拡張して血液やリンパ球の流れを促進させます。傷ついた組織に栄養を送り、排泄物を吸収して組織の回復を早めます。
①患部を温める・・ホットパックや風呂で身体を温め、血行を促進します。
②マッサージ・・マッサージによる血行促進作用により、血管が老廃物を吸収します。
③リハビリ・・ケガ前の状態に戻すため、柔軟性や筋力の回復に努めます。
テーピング・・リハビリ中や、競技の復帰時、患部のテーピングによってケガの再発を防止します。

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